応用情報技術者試験 令和5年秋期 問13
システムの性能を向上させるための方法として,スケールアウトが適しているシステムはどれか。
ア:一連の大きな処理を一括して実行しなければならないので,並列処理が困難な処理が中心のシステム
イ:参照系のトランザクションが多いので,複数のサーバで分散処理を行っているシステム
ウ:データを追加するトランザクションが多いので,データの整合性を取るためのオーバーヘッドを小さくしなければならないシステム
エ:同一のマスターデータベースがシステム内に複数配置されているので,マスターを更新する際にはデータベース間で整合性を保持しなければならないシステム
出典 IPA公開[過去問題]:https://www.ipa.go.jp/shiken/mondai-kaiotu/ps6vr70000010d6y-att/2023r05a_ap_am_qs.pdf
スケールアウトとは
コンピュータの台数を増やすことで、多数の処理を並列で高速で行えたり、分散することで1台当たりの負荷を減らしたりしてシステム全体の性能を向上させることです。
スケールインとは
スケールアウトをした後で処理件数が少なくなったり、機器構成の見直しで台数を減らすことです。クラウドサービスやIaaSを使っている場合は機器台数に比例して費用がかかるため、処理するデータ量に合わせて機器構成の見直しをする必要があります。
スケールアップとは
コンピュータのパーツを、より高性能なCPUに交換したり、メモリを増設したりするなどして性能や容量を増やすことです。スケールアウトと違って台数が増えるわけではないので処理や負荷を分散できませんが、処理が重く、処理を分散させることができない場合に効力を発揮します。
スケールアウトは分散できる処理に向いているため、「ア」・「エ」は選択肢から外れます。「ウ」も整合性を重視する点でスケールアウトは適していません。
正解は「イ:複数のサーバで分散処理を行っている」となります。
※過去出題経歴:令和1年秋期 問13