デジタル教科書とデジタル端末

久々の記事です。

2020年ごろから小学校などの学校現場でタブレットが使われるようになり、デジタル教科書が使われ出していることをニュースで目にする機会が増えました。おそらく最初は情報端末(タブレット)とデジタル教科書にすることで文字が探しやすくなったり、紙媒体での教科書が不要になることで生徒の荷物が減ったり、情報共有のしやすさ、プリント配布の不要化など様々なメリットを想定したのではないかと思います。もちろん中には取り入れる以前からデメリットを訴えていた方もいらっしゃったと思います。

しかし、最近ではメリットどころかデメリットが浮き彫りになっているようで、頭痛や目眩、首や肩、目の疲れなどの健康面への影響、タブレットの機能を使ったいじめ、勉強とは関係ないゲームや動画視聴への集中などを新聞やニュースで見かけるようになりました。

デジタル教科書はタブレットなどで扱うため、表示するスピードなどがどうしてもタブレットや通信回線の性能に影響されます。また、学校の教師から見れば生徒・学生が教科書を見てるのか、はたまたWebサイトを見ているのか教壇からは見えません。2022/6/22に掲載されていた記事でも「動作が遅い」、「児童生徒が授業と関係ない操作に集中してしまうことがある」など様々な意見が掲載されていました。さらにはICT支援員の体制が十分かどういうアンケートでは「不十分」と答える回答もあったそうです。インターネットやパソコンが一般家庭にも普及して数十年が経ち、情報教育もされるようになってはきましたが、全ての人がコンピュータに詳しいわけではなく、タブレットやパソコンのトラブルに対応できない人も多くいます。それは教員でも保護者でも同じです。だからこそ多くの人に情報の知識を身に着けてほしいと思います。

それと同時に身近なことの何が情報化に向いてて、何が向いてないかを判断するスキルも大切です。例えば先のディジタル教科書ですが、ディジタル教科書はタブレットなどの端末があればこそ使えるものです。言い換えれば端末がなければ使えないわけです。つまり端末のバッテリー頼りなのです。ちなみに端末に保存できず、毎回ネットワーク経由で閲覧する場合は端末のバッテリーとネット接続が無くなった時点で使いものになりません。こういう意味では教科書はアナログの方が良いと言えるでしょう。

次はプリント配布に目を向けてみましょう。プリント配布は場合によりけりです。例えば紙媒体でのプリントなら確実に相手が見てくれることをその場で確認できます。が、そのためには渡す相手と直接会わなければなりません。ディジタル配信なら相手と直接会わなくても送ることができますが、送られたことに相手が気づかなければ意味はありません。その意味で、受け取る側の年齢等によってはディジタル配信にすると「知らなかった」「見ていない」「気づかなかった」ということがあり得ます。

学校からのプリント配布を直接保護者にする仕組みあれば良いかもしれませんが、子供だから見ない、大人だから見るというようにはいきません。大人でも送られたことに気づかない人はいますから。こうした点から考えると確実に渡して相手に伝えたい場合はアナログのほうが確実だと言えるでしょう。え?LINEなら既読通知があるから相手が読んだかわかるじゃないかって?LINEの既読通知はあくまでも「相手が自分から送ったメッセージを開いた」ということがわかるだけです。相手が自分のメッセージを理解しているかどうかは別問題です。

最後に子どもたちが勉強道具を動画視聴やゲームに使っている点についてです。これは頭を抱えている保護者も多いのではないでしょうか?

大人であればある程度目標のために自分を律することもできるでしょう。しかし、子どもたちはまだその能力が低いのです。もちろん保護者や学校の教育の賜物で自分を律することのできる子どもも多くいるでしょう。ただし、相対的に見ても子どもはまだ自分を律する能力が低いため、「今」自分が楽しいことに向かいがちです。

先にも述べましたが、タブレットを扱っているからと言って動画視聴やゲームばかりやっているわけではなく、オンライン授業や調べ物をしている場合もあり得ます。もしかしたら友達とオンラインで相談しながら勉強をしているかもしれません。保護者の皆様の中でタブレットを使っている=動画やゲームで遊んでいると思われている方は子どもたちが勉強もせずにタブレットで遊んでいる確証が得られるまでは見守ってあげて下さい。どうしても心配な方は家庭ルールとして「タブレットを使うのはリビングでだけ。勉強のとき以外は保護者が預かる」としても良いかもしれません。もしくは家の無線ルータは大人用と子供用の2台にして子供用にはURLフィルタリングで動画サイトの制限をつけるのも1つの手になるでしょう。くれぐれも大人用の無線ルータのパスワードは知られないようにして下さい。中にはキッズ向けのフィルタリング設定ができる製品もありますのでそちらを駆使してもいいでしょう。

今回は久々の記事だったので少し長く書いてしまいましたが、お読み頂きありがとうございました。Linkではセキュリティやネットワークの仕組みが学べる講座があります。保護者の皆さんがお子さんを守るために交通量の多い道や狭くて危ない道を知るのと同じようにお子さんを有害な情報から守るためにもセキュリティやネットワークを知識を身につけて頂くことはいかがでしょうか?2022年現在、セキュリティやネットワークのしっかりした勉強は義務教育で勉強するほど一般化されていません。ましてや大人になった後の勉強はほとんどが「自らの意思で勉強する」ことになります。ぜひ、現役専門学校講師が教えるLinkで勉強してみませんか?

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