応用情報技術者試験 令和5年秋期 問25
バーチャルリアリティに関する記述のうち,レンダリングの説明はどれか。
ア:ウェアラブルカメラ,慣性センサーなどを用いて非言語情報を認識する処理
イ:仮想世界の情報をディスプレイに描画可能な形式の画像に変換する処理
ウ:視覚的に現実世界と仮想世界を融合させるために,それぞれの世界の中に定義された3次元座標を一致させる処理
エ:時間経過とともに生じる物の移動などの変化について,モデル化したものを物理法則などに当てはめて変化させる処理
出典 IPA公開[過去問題]:https://www.ipa.go.jp/shiken/mondai-kaiotu/ps6vr70000010d6y-att/2023r05a_ap_am_qs.pdf
レンダリングとは
コンピュータグラフィックスの分野で使用される用語です。主に3DCGで作成したデータをディスプレイに描画できるように変換する処理です。3DCGソフトにはX軸・Y軸・Z軸がありますが、ディスプレイにはX軸とY軸しかないので視点位置から見た画像に変換する必要があります。他にもレンダリングでは光源の強さや位置によってどのような影ができるのか、3Dモデルがどれぐらいの明るさで見えるのか、なども計算します。
「ア」はトラッキングの説明です。トラッキングとは
センサーやカメラから得られる情報を処理して現在の状態や状況を認識(把握)する処理です。
例えばウェアラブルカメラ(GoProのようなもの)が捉える物体などを認識したり、慣性センサーから加速度や傾きを認識して、VRやARなどに反映させます。
「ウ」は幾何学的レジストレーションの説明です。レジストレーションとは
2つ以上の3次元の点群間の対応関係を見つけて、それらの点群を共通の座標系に変換するために、変換を推定することです。
幾何学的レジストレーションとは「基底現実とVR世界の三次元座標系を一致させること」です。人間の視覚の位置姿勢と投影変換(3次元空間にあるものを2次元に変換する)特性を計測し、それに基づいてVR世界の描画を行います。
「エ」はモデリング変換の説明です。モデリング変換とは
モデリングとはITで用いられる場合と3DCGで用いられる場合で異なります。
3DCGの場合は点や線、面を使ってコンピュータ上に物体(モデル)を作ることを言いますが、ITや情報処理分野では、ある対象に対する作用を簡易模型(モデル)に対して数式などを使って定義することを言います。
正解は「イ:描画可能な形式の画像に変換する処理」です。