[第51回]国家試験解説[AP令和4年秋]

応用情報技術者試験 令和4年秋期 問14

あるシステムにおいて,MTBFとMTTRがともに1.5倍になったとき,アベイラビリティ(稼働率)は何倍になるか。

ア:2/3  イ:1.5  ウ:2.25  エ:変わらない

出典 IPA公開[過去問題]:https://www.ipa.go.jp/shiken/mondai-kaiotu/gmcbt80000008smf-att/2022r04a_ap_am_qs.pdf

MTBF(Mean Time Between Failures:平均故障間隔)とは

システムや機器を稼働させてから使い続けている間にも故障やメンテンナンスなどで止まることがあります。

MTBFとは稼働し始めてから次の故障やメンテンナンスによって稼働を止めるまで稼働し続けている時間の平均時間を言います。この値が大きいと稼働し続けている時間の平均が長いことになるので安定して長く使えると判断できます。

※国家試験では「MTBFがxx時間」などのように指定されているので時間を計算する問題は非常に稀ですが、「MTBF」が何を指す言葉なのかは覚えておきましょう。

MTTR(Mean Time To Recovery:平均復旧時間)とは

システムや機器を稼働させてから使い続けている間にも故障やメンテンナンスなどで止まることがあります。

MTTRとは故障やメンテナンスによって稼働していたシステムや機器が止まり、再び稼働し始めるまでの時間の平均時間を言います。この値が小さいほど稼働再開までの時間が短く、保守性などが高いと判断できます。

※国家試験では「MTTRがxx時間」などのように指定されているので時間を計算する問題は非常に稀ですが、「MTTR」が何を指す言葉なのかは覚えておきましょう。

簡単に言うと、MTBFは稼働していた時間、MTTRは止まっていた時間となり、この2つを足した時間がシステムや機器を使い始めてから使い終わるまでの時間となります。

稼働率の計算はMTBFとMTTRとを使って次のように求めます。

「稼働率 = MTBF / (MTBF + MTTR)」

仮にMTTRを50時間、MTBFを450時間で稼働率を求めると90%となります。次に、MTTRとMTBFを両方とも1.5倍してMTTRを75時間、MTBFを675時間で求めると90%となりますので故障率は変わりません。

正解は、「エ:変わらない」です。