[第70回]国家試験解説[AP令和4年秋]

応用情報技術者試験 令和4年秋期 問61

BCPの説明はどれか。

ア:企業の戦略を実現するために,財務,顧客,内部ビジネスプロセス,学習と成長という四つの視点から戦略を検討したもの

イ:企業の目標を達成するために,業務内容や業務の流れを可視化し,一定のサイクルをもって継続的に業務プロセスを改善するもの

ウ:業務効率の向上,業務コストの削減を目的に,業務プロセスを対象としてアウトソースを実施するもの

エ:事業の中断・阻害に対応し,事業を復旧し,再開し,あらかじめ定められたレベルに回復するように組織を導く手順を文書化したもの

出典 IPA公開[過去問題]:https://www.ipa.go.jp/shiken/mondai-kaiotu/gmcbt80000008smf-att/2022r04a_ap_am_qs.pdf

BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)とは

災害などによって事業の継続が困難になった場合に復旧するための計画です。

例えば火災や地震などによって生産工場が機能しなくなった際には別の被害を受けていない工場に生産機能を移して事業を継続するためにどのような手順で行うのかなどを計画します。BCPには従業員との連絡方法なども記載されます。他にも台風や地震などによって交通機関が止まり、出勤するはずの社員が出勤できず、業務が処理できない場合の対応策(交通機関に頼らずに出勤できる社員に交代するなど)もあります。

BCPを作成したら内部で共有する必要があります。また、一度作ったら終わりではなく、定期的に見直す必要もあります。

正解は、「エ:事業の中断・阻害に対応し,事業を復旧し,再開し,あらかじめ定められたレベルに回復するように組織を導く手順を文書化したもの」です。

BCPと似た用語で「BCM」というのがあります。

BCM(Business Continuity Management:事業継続マネジメント)とは

BCPのためのマネジメント活動を言います。

BCMの基本方針を決め、事業に降りかかる可能性のあるリスクを見つけたり、BCPの妥当性や実際に機能するかなどを検討したり、BCPの教育などを行います。

※過去出題経歴:令和1年秋期 問61