かつて、インターネットを利用するにはパソコンが必要でした。しかし、一般家庭にインターネットが普及しだした頃はまだ家のリビングにパソコンが置いてあることがほとんどでした。また、まだパソコンで通話するようなことは無理でしたし、現在のようなSNSもまだありませんでした。
その後、2000年ぐらいに登場した携帯電話にはカメラが付いて写真を送ることができるようになり、スマホ時代になるとインターネットはさらに進化して写真・音声・動画と相手にいろんなものが送れるようになり、世界中の人と交流できるSNSというサービスも登場しました。
SNS以前のインターネットが普及したことからインターネットを介して遠く離れた知らない人と連絡を取り合うことができるようになりましたが、スマホとSNSの登場によって自分の写真や動画付きで知らない人と繋がることができるようになりました。良い意味では同じ趣味を持った相手を見つけやすくなりました。しかし、物事には必ず良い面があれば悪い面もあります。悪い面では言葉巧みに相手を騙して金銭を巻き上げたり、性暴力の被害に遭うトラブルに巻き込まれることも出てきました。また、インターネットで知り合った女性に卑猥な自撮り写真を送らせ、思うようにならないとその写真をバラ撒くと脅されたり、別れた相手に付き合っていた当時の写真をインターネットで拡散されるリベンジポルノの被害に遭うことも出てきました。
また、スマホにカメラがついて動画を撮影できるようになったことで本人たちには面白くてもそれを見た人が気分を害するようなことも増えました。一時期にはそのような写真や動画がTwitterに多く投稿されたことから、そのような投稿をする人たちのことを「バカッター」と呼ぶことがありました。
SNSの存在によって自分が良いと思ったことを即座に多くの人と共有できるようになりました。しかし、自分の良いと思ったものがみんなが良いと思うわけではありません。「今まで自分が良いと思ったものは友達も良いと言ってくれた」という経験がそうさせているのか、「自分の友だちは良いとは言ってくれなかったけど他の人からは良いと言ってもらえるかもしれない」というある種の期待がそうさせているのかわかりませんが、前者の場合であればインターネットの中にいる顔も性格も何も知らない人たちは果たして「友達」なのでしょうか?その「友達」はあなたの性格や癖、価値観などを理解してくれいるでしょうか?言葉巧みに執拗にあなたの誕生日や好きなものなどを探ってきていませんか?(こうして相手の情報を盗み出す(聞き出す)のをソーシャルエンジニアリングと言います)
自分の「面白い」が他人の逆鱗に触れることもあり得ます。多くの人の逆鱗に触れればSNSで拡散され、更に多くの人に触れることになります。それらは一過性のものかもしれませんが、大きなトラブルに発展するかもしれません。
スマホとSNSの登場は私達の他人との出会い方に大きな変革をもたらしたと言ってもいいでしょう。最近ではインターネットの中で買い物も映画の予約も恋人探しもできてしまいます。私もSNSを介して遠く離れた友人ができましたが、知り合って10年経った今でも良い友人を得たと思っています。しかし何事も良い面があれば悪い面もあります。物事の良い面を見ることはとても良いことですが、悪い面をしっかりと理解して目を向けることは大切なことだと思います。
もしこれを読んで下さっている方の中でインターネットやスマホの利用のルールを保護者に決められている方がいらっしゃれば、保護者もあなたにトラブルに巻き込まれてほしくないという想いでルールを作っていることをご理解下さい。もしも自分でルールを決めるのであれば保護者の方に「自分にはしっかりした知識があるから大丈夫」と安心させてあげて下さい。
様々な新しいサービスがどんどん新しく登場し、1つのサービスの寿命はどんどん短くなっているような気がしています。自分がそのサービスを使わなくても自分の身近な人や大切な人がそのサービスを使っているならそのサービスについてはの知識はしっかりと身につけておいたほうがいいでしょう。