[第33回]国家試験解説[AP令和5年春]

応用情報技術者試験 令和5年春期 問12

有機ELディスプレイの説明として,適切なものはどれか。

ア:電圧をかけて発光素子を発光させて表示する。

イ:電子ビームが発光体に衝突して生じる発光で表示する。

ウ:透過する光の量を制御することで表示する。

エ:放電によって発生した紫外線で,蛍光体を発光させて表示する。

出典 IPA公開[過去問題]:https://www.ipa.go.jp/shiken/mondai-kaiotu/ps6vr70000010d6y-att/2023r05h_ap_am_qs.pdf

有機ELディスプレイとは

有機化合物に電圧をかけると発光する有機EL現象を使った表示装置のことです。次のような特徴があります。

バックライトなどの発光装置が不要なので液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどよりもディスプレイを薄くできる

曲げられるディスプレイを作ることができる

コントラスト比が高いから画面がはっきり見える

視野角が広いから斜めから見ても綺麗に見える(液晶ディスプレイの場合は視野角が狭いので斜めから見ると見えづらくなります)。

現在では薄型テレビやパソコンモニタ、スマートフォン・タブレットなどのディスプレイとして非常に身近なものとなっています。

※2010年前後あたりに有機ELディスプレイが発表され、注目を浴びましたが、30型や40型といった大型ディスプレイが家電量販店に並ぶことなく影を潜めました。時代的に大型化が難しかったり、製造コストがかかったりして費用を回収できないと判断されたのかもしれません。ともあれ、一度は影を潜めた有機ELですが、近年では大型化も進み、非常に注目されています。

ちなみに、選択肢にある電子ビームが必要なのはブラウン管モニタです。電子銃から放たれたビームを電磁力で曲げて光らせたい場所に当てているのですが、そのためにある程度の距離が必要になるので、奥行きが必要になるのです。

正解は、「ア:電圧をかけて発行させる」です。

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